2013年12月、アッパー・ハンターバレーに新たなブランド「Small Forest」を設立します。2012年からは、IWCロンドンのSAKE部門におけるジャッジとして日本酒を世界に発信するお手伝いも続けています。ワイン造りと日本酒造りを経験した日本人初となる類い希なるワイン醸造家、オーストラリアのアッパーハンターより熱い情熱をお届けします。
2015年は、エルニーニョの勢いが強く、暑く乾燥するという長期予報だったが、収穫が始まると、中盤から雨が降ると予報が一転した。1月24日、長雨予報の直前を狙って機械収穫。そのまま破砕せずに搾汁。低温で澱を下げ、透明な果汁のみを低温でタンク発酵させた。発酵終了後、一度重い澱のみ澱引きし、窒素ガスで酸化を防止し、澱を撹拌しながら舌触りを滑らかにした。タンパク除去処理、低温処理をして、スキムミルクで最後のFiningをした。イチゴや桃、柑橘類など、様々な果物の香りを持っている。色は、ピンクがかったオレンジ色。口に含むと、とても柔らかく、果物の香りがそのまま口の中に広がる。果実香味を持ちながらも、同時に複雑さとテクスチャーを兼ね備えたワイン。舌触りは大変滑らか、余韻が長くしなやか。赤ぶどう100%で造ったロゼだから得られる、フルーティーさだけではない、複雑さとテクスチャーを楽しでほしい。幅広い種類の料理との相性が楽しめるワイン。魚介肉類、和食からアジアン料理、ヨーロピアン料理まで、組み合わせが自在。夏は冷やして、また温度により表情も変わる楽しいワイン。このワインは、シラーズ100%で造られている。赤ワインを造る時に濃縮を目的に抜かれた果汁で造るセニエではない。
By Atsuko Radcliffe
アツコ・ラドクリフ(旧姓小林敦子・日本人の女性醸造家・ワイナリーの名前は敦子さんの旧姓、小林にちなんだ「SMALL FOREST」との事です。)